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S-2850 Plain Toe Bal. Oxford

S-2850 Plain Toe Bal. Oxford

フォーマルシューズをご検討されているお客様からのオーダーで製作しました。豪華客船飛鳥Ⅱのクルーズに参加されるとのことで、礼装のディナーに履いていける靴としてお探しでした。エナメルのオペラパンプスを作ろうかと思っているけど・・・というご相談を受けました。 アーチケリーのHAND MADE はデザインの自由度はあるものの、木型とゲージは決まっています。足を計測して木型を起こし、仮靴を作って確かめるビスポークとは異なり、1足目のオーダーで履き口の広いオペラパンプスをお作りするのには抵抗がありました。 そこで、内羽根のプレーントゥをおすすめさせていただきました。今回のお客様のように、フォーマルシューズとしてはオペラパンプスが真っ先に思いつきます。でも、このエナメル内羽根プレーントゥもポピュラーです。紐で留めるタイプのこの靴なら、アーチケリーが初めてのお客様にも安心して製作することができます。 さて、フォーマルユースのエナメルの靴は、オペラパンプスと内羽根プレーントゥ、この2足にストレートチップを加えたラインナップが現在の解釈というところでしょう。さかのぼって1960年代のジョンストン&マーフィーのカタログでは、オペラパンプスと内羽根プレーンがフォーマルシューズとして紹介されています。 さらに古い1918年Stetsonのカタログでは、パテントレザーのブーツがフォーマルユースとして掲載されています。ブーツが多かった当時としては、不思議なことではありません。 同じくStetsonのカタログ、1924年のものには短靴オックスフォードのプレーントゥが紹介されています。今回のオーダーのものと同じタイプ、少なくとも100年前から存在しているようです。 ブーツから短靴への変化がおよそ100年前、そこからフォーマルユースの靴はほぼ変わらないスタイルを通してきたということになります。この100年のファッションの大きな変化から比べると、いかにフォーマルスタイルというものが変わらずに厳格さを保っていたかということを感じさせられますね。 さてエナメルの革ですが、上記のカタログにも素材はパテントレザーと表記されています。エナメルで表面を防護した革が開発され、その特許=パテントを取ったレザー、ということでパテントレザーと呼ばれるようになりました。19世紀の初めにはすでにパテントレザーは存在していたというのですから驚きです。 海外ブランドのエナメルの靴を見ると、PATENT LELATHER での表記ばかりですので、革の素材を「エナメル」と呼ぶのは日本特有なのかもしれません。 Overton Black Patent - Crockett & Jones 今回の靴のアッパーのパテントレザーは国産のものを使いました。エナメル処理で一見違いが判らないかもしれませんが、加工前の革も良質なものを選ぶことでシワの入り方、耐久性に大きく差が出てきます。 フォーマルということで、見える部分は真っ黒に統一。腰裏、半敷きの革はブラックのカーフを使い、もちろん、ソールも全カラス仕上げとしました。 紐はドレッシーに見えるようシルクサテンのリボンを採用しました。黒一色に仕上がったこの靴でパテントレザーのシルク、それぞれの光沢の対比が面白いですね!高級感のあるフォーマル靴として完成しました。 素敵なオーダーありがとうございました。

4周年を迎えました / Arch Kerry HAND MADE 作例

4周年を迎えました / Arch Kerry HAND MADE 作例

いつもアーチケリーをご愛顧くださいましてありがとうございます。本日、アーチケリーも4周年を迎えることができました。 4周年を記念し、昨年からグレードアップして提供しているアーチケリーハンドメイドについてあらためてご紹介します。これまでお客様からのオーダー作例をご覧いただき、アーチケリーハンドメイドの魅力を感じていただけましたら幸いです。 それでは早速、ご紹介しましょう! S-2561 U-Wingtip Oxford Black &White Spectator    スペクテイターの王道、白黒コンビです。 古くは観劇に、のちにスポーツ観戦に履かれたとされるスペクテイターはビン靴のアーカイブにもよく見られます。左より、ジョンストン&マーフィー、アーチケリー、フローシャイム。 S-1716 Stitched Tip Oxford Tan Braeburn Grain いわゆるギザキャップトゥ。厚めのスコッチグレインレザー、キャップの大きめのギザが特徴です。ビン靴の名品、フローシャイムS-1311VIKINGをトレースしたモデル。アーチーラスト。 S-1363 U-Throat Wholecut Combination Oxford Dark Cognac Cordovan / Brown Grain Calf...

靴フェスOsakaに出展します!

靴フェスOsakaに出展します!

来週3月9日、10日の2日間、大阪の革靴イベント、『靴フェスOsaka』に出展いたします。 SHOESLab.TORCH (シューズラボトーチ)の松田さんを中心に、大阪の靴好きの有志の方々が企画されました。昨年末からお話をいただいていましたが、魅力的なブランドが揃い、面白そうなイベントになりましたね。 アーチケリーはHAND MADE、サービスシューズのオーダーをメインに展開します。       Arch Kerry HAND MADE 最近の作例を紹介します! S-1342B U-Throat Wholecut Baltic Superbuck Suede   ブルースエードのホールカット。ビンテージで見られるような深い青をもとめて用意した、英ステッド社のスーパーバック「バルチック」。ウェルトに2重のステッチを掛けて往年のダブルコバを再現しました。   S-3440 Algonquin Boots Blue Horse Leather アーチケリーのVチップをブーツに仕立てました。アッパー、ライニングに馬革を採用しました。 オーダーしてくださったたかはしさんの情熱により生まれた名作。製作の経緯は氏のnote「愛のアーチケリー」に詳細がつづられています。...

トレーディングポスト銀座店オーダー会

トレーディングポスト銀座店オーダー会

アーチケリーとしては初の取り組みとなるトレーディングポストさんでのオーダー会です。昔からアレンエドモンズを取り扱いされている、アーチケリーも目標の一つとしていた靴専門店です。記念すべき初回のお店は銀座店となります。     好評いただいているネイビーラストのサービスシューズの予約も引き続き受け付けています。   このオーダー会から、ネイビーラストのフィッティングサンプルもお試しいただけるようになる予定です。サイズはUS6D~US10.5D、ハーフサイズありで展開します。 ※12/22追記 サービスシューズのフィッティングサンプルの製作過程でアッパーが裂けてしまうトラブルがあり、残念ながら今回のオーダー会には間に合いませんでした。ご期待に沿えず申し訳ございません。     WW2前後の40s-50sに使用されていたU.S. Navyの木型をコピーしたNavy Lastを使用したサービスシューズです。当時のフィッティングそのまま、ということでかなり細身のフィッティングになっています。       これまでアーチーラストでお試しされたお客様もフィッティングをあらためてご確認いただける機会となります。ぜひお試しください。 ※12/22追記 サービスシューズのフィッティングサンプルの製作過程でアッパーが裂けてしまうトラブルがあり、残念ながら今回のオーダー会には間に合いませんでした。ご期待に沿えず申し訳ございません。 確実にフィッティングをされたい方は、ご予約をいただき、ご来店時間をお伝えいただけますと幸いです。お問い合わせフォームから、またはお店直通の電話 03-3567-3739にて承ります。     もちろんアーチケリーハンドメイド、RTWのサンプルも展開いたします。   『Arch Kerry HAND MADE』 デザイン:10種類から 素材:国産カーフ、スエード(英ステッド社)、コードバン(米ホーウィン社)各色から、コンビネーションが可能 製法:グッドイヤーウェルト(ハンドラスティング)、ハンドソーンウェルト(オプション)...

8月阪急メンズ東京オーダー会

8月阪急メンズ東京オーダー会

定期的に開催している阪急メンズ東京でのオーダー会のお知らせです。 8月19(土)、20(日)の2日間、有楽町阪急メンズ東京5F ドレスシューズにてアーチケリーのオーダー会を開催します。 今回の8月阪急メンズ東京オーダー会は『Arch Kerry HAND MADE』のプレオーダー会として開催します。 先日お伝えしたとおり、2023年10月よりMTO(パターンオーダー)を新たに『Arch Kerry HAND MADE』とリブランドし、価格を改定することといたしました。 これまでスタイルによって135,300円から143,000円としていた価格が、一律154,000円となります。   今回はプレオーダー会としてリブランド後のオーダーメニューを提供いたしますが、これまでのMTOの価格でのオーダーが可能です。 『Arch Kerry HAND MADE』ではこれまでオプションでも承ることができなかった仕様を指定していただくことができます。主な内容は、 ■オプションでハンドソーンウェルト(別途有料)を選択可 これまでグッドイヤーウェルト製法のみでしたが、ハンドソーンウェルト製法もお選びいただけるようになります。ハンドソーンウェルト製法では、ソールの返りが良くなり柔らかく履けるというメリットもありますが、ソールやコバのデザインにも自由度が与えられるということも特筆すべきポイントです。スペードソールの再現も可能となります。   ■パターンの製作、パターン変更(いずれも別途有料)を承ります パターン製作ではアーチケリーのデザインサンプルにない靴を、既存の木型にマッチするという条件で製作します。内容によって、納期の延長が必要となります。先日納品したギザキャップトゥも、パターンの製作からスタートしたオーダーでした。パターン変更は人気のシームレスヒールなど実現できます。      【『Arch Kerry HAND MADE』のプレオーダー会】 サイズサンプルUS5.0(23.0cm)~US10.0(28.0cm)をお試しいただき足に合うサイズをお選びいただきます。...

S-1716 Stitched Tip Oxford

S-1716 Stitched Tip Oxford

昨年9月のISETAN靴博にお越しいただいたお客様。アメリカンビンテージ靴がお好き(かなりマニアックな靴もお持ちでした!)なことに加え、アーチケリーを製作する舘さんのブランドSANTARI(サンタリ)でのオーダー経験もあるということで話が弾み、後日オフィスにてオーダーをいただきました。       アーチケリーでは展開していないギザキャップトゥ。キャップの大きいギザピンキングと存在感あるステッチが特徴です。いわゆるフローシャイムのVIKING S-1311が有名ですが、40sから50sにかけて、ほぼ同じデザインの靴は他のメーカーでも生産されていた模様。     ビン靴ファンからも人気のこのスタイルですが、アーチケリーでも再現すべく密かに動いていた経緯があります。   2021年の12月、とあるビンテージシューズオーナーの方にお願いしてS-1311の現物をお借りしました。     BRAEBURN GRAINと称されるグレインレザー。これに近い革を探すところからスタート。 ポイントは2つ。キャップのギザを表現できる2mm以上の厚みがあること。革の表面のみ着色し、芯には染料を通さない丘染めであること。 結局1年近く試行錯誤し、ほぼそっくりな革を国内のタンナーさんにお願いし、開発することに成功しました。     今回は、そんな革が調達できたタイミングでいただいたオーダー。 木型はアーチーラスト、パターンを新たに起こして製作しました。     この靴いちばんの特徴、トゥキャップのギザ。これは専用のポンチを作り、職人が手で刻んでいきます。 刃が斜めに入ることで、断面は実際よりも厚く見える効果があります。     お客様のご希望で、ハンドソーンウェルト製法に変更しました。これもアーチケリーとしては初めての試みになりました。    ...